考えてみると、日本では最下層の記録がたいへんに乏しい。
また、その声はその数に比して意外に小さい。
一般に最下層に転落した人たちはほとんど立ち直れないのが普通ですが、転落者のわずかな更生記録をみて気づくことは、立ち直れた者は当事者がごく若いか、または家族をなしている場合にかぎられることです。
たいていは家族がちりぢりになって、山谷や釜ガ崎のドヤ街のようなところにふきよせられていきます。
山谷のドヤ街では一日に三千人くらいの人がどこからか来て、またどこかに出てゆくそうです。
釜ガ崎のドヤ街では七割くらいが独身者だといわれています。
かれらはその日働いてその日食う、仕事にあぶれれば血を売ってそれで食べます。