赤レンガに白い石を賑やかに散らせるデザインは、クイーンアンと呼ばれるイギリスの町屋建築からきたもので、これに象徴的なドームを載せるのが辰野金吾が好んで使った手法だった。
現在の東京駅は戦災で左右のドームが失われて、直線的な屋根に改修されている。
しかし、その内部には鉄道ファンならずとも興味深い部屋や施設が迷宮のように錯綜し、ステーションホテルあり、かつて中央郵便局との間に走ったという郵便物運搬用トロッコのトンネルあり、また原敬首相と浜口雄幸首相の暗殺現場ありと、歴史を生き抜いてきた話題に満ちている。
最初は九面のホームでスタートしたこの東京駅も今ではJRだけで十路線が乗り入れ、二つの地下駅を合わせて二十七のホームを持つ巨大駅となっている。
さらに現在は北陸新幹線の乗り入れに備えて中央線ホームの二階化工事が進んでおり、赤レンガ駅舎の背後には大型重機のクレーンが林立している。